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セクシャリティはLGBTQ+とそれ以外の人で明確に分かれるのではなくグラデーション。性的マイノリティのお子さんがいる家庭の体験談を通じて、自分の子供がマイノリティかもと認識した時親としてどうあるべきかを考えました。
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M.Kさん
神奈川県在住 50歳
家族構成:夫、大3長女、高3長男
娘は幼い頃からプリンセスやフリルやレースが大好きで将来の夢はお姫様という、いかにも女の子な子供でした。大学生になり奥手で繊細な娘もそろそろ彼氏でも連れてくるのかと思っていたところ「彼女ができた」とさらりと告げられました。大学で同性同士のカップルと知り合ったことで自分は女性が恋愛対象と認識したよう。とっさに「えー良かったね」と返したものの実は内心大パニックでした。確かに小学生の頃から好きになるアイドルもずっと女の子でしたが全くの想定外で。しばらく誰にも相談せず悶々としましたが、今まで引っ込み思案だった娘が本当に幸せそうで。交際相手もごく自然に紹介してくれ、お互い対等で思いやりが溢れていて、とてもいい関係であることが窺えました。次第にこの子が幸せなら何でもいいかという想いが固まってきたんです。とはいえ、すんなり受け入れていた息子に比べ、私は戸惑いがなかなか薄れず。いろいろ調べて考える程に、自分の中に「他人に知られたくない」「子育て失敗と思われないか」「将来娘が子供を持たない可能性が高いのか、それでいいのか…」などと差別的な価値観が隠れていることに気付いて、それが一番ショックでした。’23年の世界30カ国対象の調査で知りましたが、男性同性愛者のゲイは自認する人が4%、女性同性愛者のレズビアンは1%だそう。そして日本では女性同士の恋愛は男性同士に比べ、あまりオープンになっていないのが現状です。パパ(夫)にはまだ打ち明けておらず、今後も言わないのかなと思います。多様性の時代とはいえ娘も居心地のよい大学を卒業したら、偏見や好奇の視線にさらされることも多いのかもしれません。でも今は親である私が彼女の一番の理解者でいられたら、と願っています。
二次性徴が始まる思春期は親から与えられた価値観をいったん壊し、再構築して生き方を確立する大切な時期。そこに性別の悩みが加わると自分を肯定することが難しくなり、辛い思いをすることも。まず親は人生の先輩として子供が自分らしく生きる努力する姿を温かく見守って。相談されたらその辛さを受け止め、発する言葉に耳を傾けましょう。子供にとってその言葉は生き方を模索する中で出合い、見出した大切なものなのです。ぜひ親はその言葉をむやみに言い換えたり、勝手に解釈して性急な評価を下したりしないでください。例えば「自分は女の子かもしれない」と言われたら、「それって性同一性障害ってこと?」「トランスジェンダーなの?」などと別の言葉に言い換えるよりも「そうなんだね。お母さんもあなたを女の子かもしれないと思っていたよ」と言葉をそのまま使って返してあげた方が、気持ちを分かってもらえたと感じてくれるでしょう。親は常に子供の一番の味方になって。文部科学省から配慮に関する通達もあり、教育環境にも変化が起きています。困りごとがあったら専門家に相談を。
ちあきクリニック院長 医学博士・精神保健指定医・精神科専門医日本GI(性別不合)学会認定医 松永千秋先生
自身が性別の問題で悩んだことから精神科医に。2012年開業のクリニックでは積極的に性同一性障害/性別不合の治療にも取り組んでいる。日本GI(性別不合)学会理事。
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2025年『美ST』3月号掲載
取材/佐藤理保子 写真/PIXTA
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