PEOPLE
《Profile》佐津川愛美

1988年8月生まれ。静岡県出身。14歳の時にスカウトを受けて芸能界入り。2005年、映画「蝉しぐれ」で映画デビューを飾り、第48回ブルーリボン賞助演女優賞にノミネート。
その後は映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(07)で第50回ブルーリボン賞の助演女優賞と新人賞の2部門にノミネートされ、高い演技力が絶賛された。以降、様々なドラマや映画で活躍。最新作には『昨夜は殺れたかも』(26)の公開が控えている。現在放送中の「おちたらおわり」(中京テレビ・日本テレビ)などでも存在感を示す。映像だけでなく、舞台、朗読劇などの分野でも活躍中。自身が代表を務めるプロジェクト<映画と仲間「filty」>を立ち上げトークイベントや子ども向け映画撮影ワークショップなどを企画・プロデュースしている。)
37歳。嗚咽レベルに号泣した自分に面食らう
感情に蓋をしてきた自分を少しずつ許せるようになった。
実力派俳優がつづる「演じる」と「生きる」のあいだでもがく日々
「大人も泣いていい。大人も悲しんでいい。私は大人だ。だけど、こどもをちゃんと通って来れなかったのかもしれない。
14歳で仕事をはじめて、15歳には家を出て上京していた。…(中略)…私は30代になって、やっと、若い頃に出来なかったような経験を自らの意思でしているのだと思う。」(「おわりに」より)
映画『蟬しぐれ』でスクリーンデビュー以来、数々の作品で印象的な役を演じてきた佐津川愛美さん。本書は、30代後半を迎えた佐津川さんが、「演じる」ことと「生きる」ことのあいだで揺れながら、自分自身の輪郭を見つめ直した軌跡を綴った一冊です。映画という仕事場、一人旅での出会い、2年間のホテル暮らし、俳優以外への挑戦――。悩み、迷い、揺らぐ気持ちをまっすぐに見つめる誠実な言葉が胸を打つ、共感必至の初エッセイ。
【INDEX】
今回のエッセイ本の帯の裏に、「共感必至」と書いてあるのですが、「私が書いたもので共感していただけるのかな?」と不安だったんです。でも、6/10にいざ出版をさせていただくと、当初の不安とは裏腹に思いのほか、沢山の方々からご感想やご意見をいただいたんです。
例えば、「私も自分を大事にしようと思いました」だったり、旅先の出来事を書いたエッセイを読んだ方からは「旅に出たくなりました!」と言っていただいたり。自分と向き合って言葉にしてきたことが、様々なカタチで色んな方に受け取っていただいているんだなぁ、と実感したんです。
本にしていただいたことで、今まで届かなかった方々にも届くようになったのも嬉しいです。「佐津川愛美ってこんな人なんだ」と知っていただけたら光栄ですし、これまでの私の迷いや戸惑い、嬉しかったことや辛かったこと、もがきながらも進もうとしたこと、それら全てが無駄ではなったと思えました。
誰かの生き方は誰かの心に少しでも寄り添うことができる。そう思えて、幸せな気持ちでいっぱいになったんです。
このエッセイ本のタイトル「今日も、自分を生きる練習」は、幻冬舎の担当の方が付けてくださいました。このタイトルがあったからこそ本にすることができたと言っても過言ではありません。
14歳から芸能界の仕事をさせていただくようになり、周りに大人ばかりいる中で、「ちゃんとやらなきゃ!」と思い過ぎるあまり、自分の気持ちを大事にできなかった経験がこの本の出発点になっています。仕事をしながら年齢を重ねていく内に、本当に大切なことは完璧に続けることではなくて、自分の中に芽生えた気持ちを無視せず認めていくことなんじゃないかなと気づき始めたんです。
それを私は「もがいている」と解釈していたのですが、「練習」と言葉を付けていただいたことですごく自分の中で腑に落ちたというか。これは自分の気持ちを大事に受け取るための「練習」と捉えることで肩の力が抜け、目先だけではなくもっと先を見通せるようになりました。
幻冬舎の担当の方が選んでくれたエピソードは私の生活について具体的に書かれたものが多くて、それに合わせて何編か書き下ろしをしました。マンションの部屋を引き払ってしばらく転々とホテル住まいをしたエピソードなどがそうですね。書いてるうちにあれもこれも!と欲が出て、思いがまとまらないことも(笑)。
姪っ子のめーたんとのエピソードは私の中でも印象的ですが、元々「はじめに」のために書いたものを、担当編集の方のご提案で「おわりに」のために書き直しました。その時に初めてこのエッセイ本の方向性が一気に見えて、タイトルにも導かれつつ書き上げることができた、という感じです。連載を始めた33歳から37歳現在までの私が、ぎっしりと詰まっています!
本を読んでいただいた方ならお察しの通り、私は1人でいることが大好きなんです。なので1人旅にも定期的に行っています。圧倒的に1人時間が多いし長いと自負しているつもりでいましたが、今回のエッセイ本を通じて、いかに自分が「人と生きているか」ということを思い知りました。
自分のことを書いてはいるけれど、必ずその側に別の誰かの体温や輪郭があります。これはエッセイを継続して書いてきたらこそわかったことです。もしかすると、私は人にものすごく興味があるのかもしれません。その飽くなき興味が、自分ではない別人を演じる上でのポテンシャルになっているのかもしれません。
もちろん「これは芝居に生かせるな」という視線で人を見たことはありません(笑)。当たり前ですが、1人で生きている訳ではなくて、人と一緒に生きている。ここ最近私が注力している「自分を大事にする」上でも、とても大事な気付きだと思っています。
撮影/公文一成(光文社写真室) ヘア・メイク/杉村理恵子 スタイリスト/森宗大輔 取材/キッカワ皆樹 編集/西村公寿
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2026年11月16日(月)23:59まで
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2026年10月31日(土)23:59