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東出昌大さん「年を取ることを怖がらない」。20代から変わらない、若さにしがみつかない生き方

11月に舞台『ハムレット、冬の旅 HAMLET’S WINTER』を控えている東出昌大さん。10月はクマ猟のために北海道に行くという東出さんに、山暮らしを始めて変わった日々の生活や考え方、そして父親としてのあり方や「年を取って大人になること」についてお話ししていただきました。

東出昌大さん

東出昌大
1988年埼玉県出身。2012年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。ドラマ『あまちゃん』『ごちそうさん』などに出演し、映画・ドラマを中心に幅広く活躍。近年の主な出演作は映画『Winny』『福田村事件』、Netflixシリーズ『イクサガミ』など。舞台にもコンスタントに出演し『豊饒の海』『サド侯爵夫人』など文学性の高い作品にも挑んでいる。初の単独著書『誰が為にか書く~東京から離れた山暮らし日記~』を発表。

 

山暮らしで閉塞感がなくなり、仕事も自分のペースで

仕事のための健康管理としては、マスクは嫌いなんですが舞台が始まったらちゃんとマスクをつけて手洗いうがいをする、絶対、穴を開けられないので。すれ違う人の数は東京に住んでいる人より僕は圧倒的に少なくて風邪ももらいにくいので、普段の健康管理はよく食べてよく歩くくらいですね。今の生活は日常の歩数がもともと多いですし。

東京に住んでいた時は仕事をたくさん詰め込んでいました。家賃や生活費が高いですし。でも山暮らしをしている今はかかるお金が少ない。だから、自分のペースでお仕事をやりたいなと思えるようになりました。年齢もあると思うんですけどね。東京にいるとこういう仕事をしてるし身長もあるので、どこに行っても人に見られてちょっと恥ずかしいんです。ジムに行って鍛えてるのも恥ずかしいし、ランニングマシンで歩きながらセリフをやるのも恥ずかしかったんですけれど、今は一人に慣れているので生活の中での閉塞感はなくなりました。

美ST読者は私と同世代の方が中心ということですが、30代を振り返ると私生活もですがコロナ禍もあって激動の時期だったのかもしれないですね。でも20代も激動だったような気もするし。ここ2年くらいで、ようやく大人になり始めたという実感ですね。「ようやくここから楽しいだろうな」っていうのが今の見通しです。30代のうちにやっておきたいことは…来月、北海道にクマを追っかけにいくんです。山歩きで鍛えられながらもどんどん体力は落ちていくので、若いからこそできることは30代のうちにやっておきたいですね。

「40代はこういうふうに過ごしたい」っていうイメージはあんまりないですね。「このまま続く」っていう見通しもなくて。2026年の今、みんなGemini、チャッピー、Claudeに相談していますし、この社会の変わり方を見ていると3、4年後も変わらずにいるとは思えない。ハリウッドがAIをどんどん導入しているように、役者の仕事もどうなるかわからないですし。わからんから、もうあんまり考えないです。私自身はAIは使わないですね。

東出昌大さん

大人が子どもっぽい時代に、年をとることを怖がらない

自戒の念も込めて言うと今、大人が非常に子どもっぽいと思うんです。自分事に終始できちゃうので、いろいろ不安をかき集めがちですし。私がアンチエイジングの逆をいってるところもありますけど、いい歳だということを自覚して、しっかり年を取ることを考えないと、大人がずっと子どものままでいることになってしまう。「年をとることを厭わない。年をとることを怖がらないほうがいい」と自分に言い聞かせています。「若さにしがみつく年の重ね方をしていったら、役者って多分ダメなんだろうな」って、20代の時に思ったんです。その考え方は今も変わってないですね。

子どもは今、1歳半です。育児をちゃんとやっているか…ちゃんとっていう定義が難しいですけど、ご飯を作ることも多いし、洗濯や添い寝も全然厭わない。一緒にいる時間も好きです。その中で楽しくやっている、私は一方的に楽しんでいるという感じです。子どもにも狩猟をやらせたいとは考えないです、「やりたい」って言ったらやればいいし。母親も父親も子どもも個人であることを尊重する価値観から、いい家族関係が生まれると思っています。

いわゆる育児書ではないですが、ユング派心理学者の河合隼雄先生は教育の場にも立っていた方なので、河合先生の本やYouTubeにあがっているインタビューを見るのは好きですね。「あれを教えてあげたい。これを習わせたい」ということではなくて、遊びとしてその子どもが好きなことを一緒にやるのがいいと思っています。私の得意な分野に興味を持ってくれて、「キノコ取り行きたい」とか言ってきたら「愛い奴よのう」と思うけど(笑)。私から「キノコを学びなさい」とはならないですね。

東出昌大さん

『ハムレット、冬の旅  HAMLET’S WINTER』



シェイクスピアの『ハムレット』とシューベルト最晩年の傑作歌曲集『冬の旅』という時代もジャンルも異なる名作を重ね合わせ、人間の喪失と彷徨を描く舞台。演出・振付/首藤康之 『冬の旅』訳詞/松本隆 台本監修/河合祥一郎 音楽監督・演奏/斎藤 龍 出演/東出昌大 栗原英雄 渡辺理恵 高橋慈生 松野乃知 東京公演:11月20日(金)~11月30日(月) 新国立劇場 小劇場 大阪公演:12月12日(土)~12月13日(日) サンケイホールブリーゼ

撮影/古末優一 ヘア・メイク/山本絵里子 スタイリスト/ゴウダアツコ 取材/中畑有理

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東出昌大さん「年を取ることを怖がらない」。20代から変わらない、若さにしがみつかない生き方

2026年12月号

2026年10月16日発売

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