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誰もがなんとなく実感しつつも確証のなかった「内面が顔に出る」問題。あまり語られることのなかったこの問題を舌鋒鋭い人気コラムニスト、ジェーン・スーさんにずばり語っていただきました!見た目にも変化をもたらしてくれる内面美の磨き方とは?心に留めておきたい3箇条をご紹介します。
内面は若い頃にだって外見に出ています。若さパワーでめくらましされているだけ。それが40代になってくるとごまかしが利かなくなってくるんです。外見は「内面のガラスの入れ物」です。全部ガラス張り。だから、ガラスの形をどんなに変えても、中のものは透けて見えちゃってるよ、ってこと。それが歳とともにバレやすくなってくる。私たち、自分のことをマンションだと思ったほうがいいですよ。ビンテージマンションってどんなにリノベしても水回りだけはマズイじゃないですか。まず、そこを見ましょう。普段見ないようにしていることをちゃんと見られるかどうか。そしてその排水口の詰まりをなんとかするのが大事。
あの人すごく気持ちがいい、一緒にいて楽しいというような良さが外にも表れている人は、基本的に自己受容できている人。「こう見られたい」「こう見られたくない」が先に立っていると、思っている以上にそれって伝わる。自己受容っていうのは、諦めじゃない。自分が本当は何が欲しいのかということに正直に向き合って、知って、それと格闘するってことですね。太った私でもいいじゃないとか、こんな私でもいいじゃないとかじゃない。なぜ私はこれが嫌なのか、 本当にやりたいことは何なのか、居場所もあるしお金もあるのになぜ私はこんなに不満なのか、それをガンガン骨の髄まで突き詰めて出てきた欲望っていうものに対して、きちんと向き合ったことがある人は、自己受容ができると思います。
「性格ブス=性格がよろしくない」というのも、意地が悪いだけじゃなくて、どうせ私なんてって言って 何も動かないのに人を羨んでいたりとか、自分のことを棚に上げて周りばっかり責めていたりとか、そういうことです。それも突き詰めていくと、自分が一番欲しいものに対して自分が目を背けているから。そこにちゃんと向き合っていくかどうかで、後半の人生かなり変わっていくと思います。介護や子育てやさまざまな事情があって今動けない、今すぐには実現がなかなか難しいってことも多々あると思うんですけど、ただただ「私の欲望はここにあるぞ」っていうのをしっかりわかっているだけでも、それに蓋をしているのとは雰囲気に出てくるものが全然違うと思います。そしてそれは周りに伝わりますよね。自分が選択してきたことの棚卸しはちゃんとしたほうがいいと思う。その風通しが良くなったら、絶対、表情からくる見た目も良くなるので。
排水口も1回流せばいいわけじゃなくて、毎回毎回ちょこちょこ微調整しながらですよ。でも、このトイレ、下水が詰まっているのにめっちゃバラの香りする、みたいなことはダメですよね。人工的に金木犀の香りをつけるとかは、そういう中年になりたいのかっていう話です。人生、心の大掃除ですよ。ジャーと流してください。気づいた人からやればいいんだと思いますよ。気づくタイミングって必ずあると思うから。
1.心の排水口の掃除で、気になったことを言葉に書く
ノートに書いていくと、とっても視界が広がると思います。
2.心とつじつまの合っている顔をすればいい
すごく辛そうなのにすごく幸せそうな笑顔で笑われたらめっちゃ怖くないですか。人の観察力ってそんなにいい加減なものじゃないから、わかってしまいます。
3.客観的に見てくれるプロの手を借りるのもいい
表情筋は随意筋だから、鍛えればコントロールできるようになるはず。自分の無意識の癖でやっている表情もあるし、自分で笑っているつもりでも笑えてないこともあるから。
1967年7月1日生まれ。カナダ出身。「PLAYBOY」の表紙を飾り、1992年から「ベイウォッチ」にレギュラー出演して世界的人気を集めていた29歳の頃。©ロイター/アフロ
55歳。以前から動物実験反対・毛皮反対などの動物保護活動を積極的に行っていた。変化の5カ月前はLAのLGBT Center Galaにメークばっちりで登場。© AP /アフロ
56歳。彼女がノーメークで登場したことは多くのハリウッド女優からも絶賛され、「ナチュラルビューティ革命」と言われて社会現象になっている。© REX /アフロ
「パメラ・アンダーソンは’80~’90年代セックスシンボルとしてドラマ『ベイウォッチ』で一世を風靡した女優です。先日、メークアップフリー宣言して、ノーメークでパリ・ファッションウィークに出てきて衝撃を受けました。多分、自分自身の解放にようやく至ったんじゃないのかな。56歳でここまで変われることが素敵だと思います」(ジェーンさん)
ジェーン・スーさん
コラムニスト、ラジオパーソナリティ、作詞家。現代に生きる女性の複雑な気持ちを言語化し、圧倒的な共感を得る。エッセイをはじめラジオやポッドキャストも大人気。弊誌でも連載中。
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2024年『美ST』2月号掲載
撮影(ジェーン・スーさん)/芦澤 周 文/ジェーン・スー 編集/石原晶子
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