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日本女性の40代は世界一忙しい。でも今、自分の体を見つめ直さないと、その後の体にツケが来る! 人生100年時代、自分を好きなまま生きていくために役立つ、藤原美智子さん、ジェーン・スーさんの体験に基づいた言葉が、ズシンと響きます。「美しく年を重ねる」秘訣と金言をお届けします。
ジェーン・スーさん(以下:スー〈敬称略〉) この前、人生初の人間ドックを受けたんです。今まで健康診断も人間ドックも受けたくなかったのは、デブ起因で言われることが分かっていたからなんですよね。高いお金払って全身隈なく調べたんですけど、結局、血液検査で出た以上のことはなく、食生活を見直して運動してください、という一番普通の答えがきたという。今、世の中は「ボディポジティブ」という良い時代ですが、多分、ボディポジティブって45歳くらいまでですよね。50歳近くになると「ボティポジティブ」の後に「(健康である限り)」と言うのがつく。忙しい時期の藤原さんは、雑誌や広告はじめ、たくさん仕事が来ていらして、当然、疲労は蓄積されていく。ある種の使命感だったり、自分の伝えたいことはあるけれど、自分の人生を大事にするというバランスは、どう取っていらっしゃったんですか?
藤原美智子さん(以下:藤原〈敬称略〉) 長いストーリーなんですよ(笑)。38歳の時に、体がどうも不調だという感覚があり、ある時、整体の先生に背中の真ん中を押されたらブワッーと涙が出てきました。そしたらその先生が「藤原さん、人生は《うたし》ですよ」と言われて。「なんですか?」と聞いたら「《嬉しい、楽しい、幸せ》です」って。その時はただただ疲れていたので「私は嬉しくも、楽しくも、幸せでもありません」と言ってしまいました。自分で忙しくしていただけなのに、ちゃんと考えてなかったなあと思いました。それからあちこち施術に行った後に、スポーツマッサージに行ったら「ああ、これかあ。自分の固くなった歪んだ体を、ただ解きほぐせばいいだけなんだ」って。特殊なものはいらないなあと。そして42歳くらいから自分でもストレッチしようと思い始めました。そしたら気持ちも軽くなっているのに気づきました。心と体は繋がっているなあと思えたのが、44歳です。
スー 仕事の量はどれくらい減らされたんですか?
藤原 今だから話せるけど、46歳くらいの時、ある海外ロケから帰った後、マネージャーに『私、ヘアメークで海外ロケ行くのはやめる』って言ったんです。朝5時から晩までヘアメークして一瞬でも気が抜けないし。そうして言葉に出すとその仕事がこなくなるんですね。それから一度の撮影で行うカット数はちょっとずつ減らしていきました。集中力って体力だと思っているから。私の仕事だと集中力ってすごく必要で大切だから。体力がなくなると集中力がなくなるのよね。ジェーンさんも今、連載が多いですよね。ラジオもあるし。でも、気力的に辛いと思わなければまだいけると思う。
スー いやいや、そろそろやばいんですよ。元々、子供の頃から体力がすごくあるほうだったので、多少の無理は利いてしまう有難い体を親からもらっていたから、働き始めたらそれがより顕著になりました。新卒で仕事をしたのがレコード会社で、夜討ち朝駆けのメチャクチャな時間設定で働くのが基本になっていたんです。35歳でサラリーマンを辞めて親の仕事を手伝っていた時は、週に3回スポーツクラブに行って健康的だったのですが、だんだん仕事が増えていって、すごくガクッときたのが42歳ですね。今までと同じに仕事をしていると慢性的な疲労とか常にダルいとか。このまま同じようにやっていたのでは、ダメだなあと。マッサージで1冊本を出したほどマッサージには通いまくっていて、対症療法であるとは分かってはいるのですが、揉んでもらわないわけにはいかない! という働き方をしていましたね。今は、2、3カ所頼りにしているところがあって、1つは週に1回、あとは自分のタイミングを見て行ったりしています。体の歪みを治さないとどうにもならないと実感して、一昨年の暮れからは歪みを治すところに通っています。
藤原 私も歪みの矯正に通っています。体と顔は繋がっているから、体を治せば顔は変わります。捻れを取る整体ってどこやっても痛いじゃないですか、でも終わると顔がフワッとして若返ったようになるんですよ。体が歪むと顔が歪むわけだから、そうするとそこに筋肉がへばりついて血流もリンパの流れも悪くなって、皮膚もへばりついて不幸感が漂うようになってきてしまう。それだけ体っていうのは精神的にも顔つきにもダイレクトに影響するなって。最近はスマホ肩、パソコン肩、内肩になっている人が多いですよね。それだと今からおばあちゃん姿勢になってしまいますよ。
《Profile》
●藤原美智子さん(65歳)
MICHIKO.LIFEプロデューサー。2022年4月をもってトップで活動し続けた42年間のヘアメークアーティスト活動を終了。現在は雑誌や広告での執筆、講演、TV等で活躍し、幅広い年齢層から支持を集める。信州大学の特任教授も務めている。https://michikofujiwara.jp
●ジェーン・スーさん(49歳)
コラムニスト、ラジオパーソナリティ。心の琴線に触れ、新鮮で鋭い切り口のエッセイと発言が圧倒的な人気。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」ポッドキャスト「OVER THE SUN」も大好評。『きれいになりたい気がしてきた』(光文社・刊)『おつかれ、今日の私。』(マガジンハウス・刊)など著書多数。
撮影/峠 雄三〈藤原美智子さん〉、和佐田美奈子〈ジェーン・スーさん〉 取材/大佛摩紀 編集・文/石原晶子
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