PEOPLE
突き抜けた美容愛と行動、新著が話題を呼んでいる漫画家・まんきつさんは、現在49歳。美ST世代であり、まさに更年期の真っ只中。「売られたケンカはなんでも買うくらいイライラする!」こともあるほど気持ちの浮き沈みが激しい中だからこそ、自分でいかに自分のご機嫌を取っていくかが大事だと語ります。完璧を求めすぎずに美容と長く付き合うコツや、実は美容男子だという息子さんのこと、同世代の美ST読者へのメッセージまで、存分に美ST ONLINEに語っていただきました!
◆まんきつさんの美容医療事情をチェック
《Profile》
1975年埼玉県生まれ。漫画家。2012年にブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」で注目を浴びる。著書に『アル中ワンダーランド』(全1巻・扶桑社)、『ハルモヤさん』(全3巻・新潮社)、『湯遊ワンダーランド』(全3巻・扶桑社)などがある。現在、週刊SPA!で「犬々ワンダーランド」を連載中。現在「そうです、私が美容バカです。」の連載新シリーズを鋭意準備中。
美容のモチベーションですか?私が美容に目覚めた最初のきっかけは割と単純で、25年くらい前に失恋をしたこと。もっと綺麗だったらフラれたりしなかったんじゃないかと思ったし、お相手を見返してやりたいという気持ちがあったんです。
でも今は、漫画を描いていることが美容のモチベーションになっています。例えばダイエットの本を書いてしまったら、太るわけにはいきませんよね。私は以前、アルコール依存症になった自分のことを漫画にしました。断酒までの経緯も描いているものだから、もはやあの時の状況に後戻りするわけにはいかないんです。それらと同じで、美容の漫画を描いているのに描いている本人の肌が綺麗じゃないと説得力がないですから。自分で自分の仕事の営業妨害をしないためにも(笑)。
今、生理は2~3カ月に1回の頻度できています。きっと閉経寸前なんでしょうね。絶賛更年期で意味もなくイライラするし、ホットフラッシュも本当にひどくて。そんな中での私の拠り所は、何と言ってもサウナ。サウナって素晴らしいですよ。サウナと水風呂を繰り返すことで、自分の中の変な澱みが抜けて気持ちがフラットになります。閉経したら生理を気にせずサウナに行きまくりたいです(笑)。行きつけのサウナに80代と思しきおばあちゃんがいて、よく喋るんですが、健康に生きるヒントをもらえますね。「いい?重要なのは食べ物よ」って。
そういえば、自宅のマンションでお掃除をしてくださるおじいさんがいらっしゃるんですが、すごくお元気なので普段何をされているのか訊いたことがあるんですよ。そしたら「粗食のおかげ。暴飲暴食した友達はみんな死んじゃったからね」と。確かに私も過去に10日間断食したことがあるんですが、肌が劇的に綺麗になったんです。オススメできることではないけれど、食べ物が人体を左右する大きな要素なんだなと思いました。
夜はサウナに行くので、お風呂は朝派です。湯船にはエプソムソルトを入れているんですが、これがすごく良い。信じられないくらい汗が出るし、体がポカポカします。
そうそう!ある真冬の朝、いつものようにエプソムソルトを入れて湯船に浸かり、お風呂から出た後閃いたことがあったんです。あまりにもポカポカするので、ランニングシャツを着てベランダに出たんですよ。真冬に(笑)。それからYouTubeで蝉の鳴き声を流すんです。すると「あれ?今夏?」と脳がバグって爽快な気持ちを味わえて(笑)。というのも、私は夏が大好き。1年中夏でも良いくらい大好きなんです。よく晴れた夏空や、縁側でスイカを食べる感じ、そんな夏ならではの楽しさや気持ち良さみたいなものが味わえて、鬱屈した気持ちまで晴れたんです。これは私の中で自分の機嫌をとる方法になったし、脳にパンチを入れることでボケ防止にもなるんじゃないかなと期待しています。
私には19歳の息子がいるんですが、しょっちゅう美容談義をします。息子は今どきの子らしくうっすらメークをしますし、「毛穴ケアには何使ったらいい?」とか訊いてきて、美容が共通の話題や糸口になっています。お互い気に入った化粧品はシェアして使うことも。美容ってやっぱり楽しいですよね。一晩寝て起きたら効果を実感できることもあるし、そういうちょっとした達成感がモチベーションになります。
とはいえ、いつでも美容を頑張れる訳ではないですよね。私も、締め切り間近だと疲れ果ててメークしたまま寝てしまうことなんてしょっちゅう。息子が小さい時はスキンケアすらままならない時期が何年もありました。だからこそ思うのは、毎日頑張らなくて良い!ということ。頑張れない自分をちゃんと受け入れてあげるべき。でも1カ月に1日でも良いから、その1日の内ほんの数時間でも良いから、ゆっくりお風呂に入ってスキンケアをしっかりしたりエステに行ったり、めんどくさがらずに美容ならではの心地良さを忘れないでいてほしいなと思います。
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撮影/前千奈美(光文社写真室) 取材/キッカワ皆樹 編集/浜野彩希
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