【乳がん】を克服した52歳美魔女に聞いた、女性特有のがんとの向き合い方
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手遅れになる前にも、きちんと検診を受けることが大切!
2軒目のエステサロンオープンを目前に控えた37歳の6月、5歳の息子がたまたま触った左乳頭から茶褐色の液体が出てきて、翌日検査すると乳がんとの告知。翌月に左胸全摘手術。全摘の翌年、幹細胞での再建手術も満足できず、その翌年にシリコンで再建。
女性特有のがんは罹患率も高いので必ず検査を受けましょう
1:乳がん
▶︎女性が患うがんで最も多いですが、早期発見すれば比較的治りやすいがん
Q. マンモグラフィーとエコー、どちらを受けるべき?
対策型検診はマンモグラフィーのみが対象、年齢は40歳以上、2年に1回です。ただ、50歳未満のアジア人の8割がマンモグラフィーで乳房が白く写るタイプのいわゆる「高濃度乳房」なので、マンモグラフィーだけでは読み切れない場合があります。なので、ドックではマンモグラフィーとエコー併用が主流で、がん発見率も1.5倍になります。
Q. 石灰化してると言われたけど、危険性は高いですか?
マンモグラフィーの石灰化というのは、全くの良性の場合でも映ることもありますし、本当にがんを疑う悪性の石灰化もあります。触ってしこりがふれるかどうかと石灰化の有無は必ずしも一致しません。悪性を疑う石灰化の形なのかはマンモグラフィーの読み分けという読影の力量にかかってきます。
Q. リスクの高い人はいますか?
乳がんは女性ホルモンエストロゲンが関与しているため、エストロゲン分泌が高くなる月経の回数が多い人ほど、リスクが高いといえます。生活習慣のリスクも大きく、確実にわかっているのがアルコール過量摂取。受動喫煙も含めてタバコはだめです。太っていることもリスクになります。またいわゆる遺伝性乳がんの方は大体5~10%ぐらいと言われています。
Q. 無痛の検査ができるようになったって本当?
最新の乳がん検査方法として、無痛MRI乳がん検診というものがあります。マンモグラフィーは痛い、エコーは胸を出すのが恥ずかしいなどというお声がありますが、無痛MRI乳がん検診はTシャツや検査着を着たまま乳房型にくり抜かれたベッドにうつ伏せになることで行い、無痛です。まだ少ない機械なので、今後が楽しみですね。
2:子宮
▶︎膣に繋がる子宮頸部と出産まで赤ちゃんが育つ子宮体部のがんに分かれます
Q. 死亡率が低いわけは?
子宮頸がんはほぼHPVの感染が原因なので、ワクチンを打つことで感染を予防できます。公費でのHPVワクチン接種は、現在は小学校6年から高校1年まで受けられます。基本的に子宮頸部細胞診での検診が有効とわかっているので、HPVワクチンと2年に1回の定期検診でかなりの確率で防ぐことができます。
Q. 検査はどのくらいのペースで受けるべきですか?
子宮頸がんの対策型検診は20歳以上で2年ごとになっています。年齢の上限も設けられていません。子宮体がんの検査は子宮内に器具を挿入して細胞を採取するため、全ての女性に行う検査ではありません。経膣超音波で子宮内膜が厚い場合や不正出血がある方に、リスクとベネフィットを説明して任意での検診に。経腟超音波は情報量が多く、婦人科の先生は1年に1回の超音波検査をお勧めしています。
Q. 子宮頸がんと子宮体がんについて教えて
子宮頸がんと子宮体がんは全く別もので、原因も違えば検査方法も違います。子宮頸がんは、基本的には95%以上原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染です。対策型検診は20歳以上で2年ごとに。子宮体がんは40代後半から増加しますが対策型検診対象ではなく、不正出血があればすぐに医療機関の受診をお勧めします。
Q. 子宮筋腫や子宮内膜症の人はリスクが高い?
子宮内膜症、子宮筋腫、生理痛などと子宮がんは直接の関係性はありません。子宮内膜症のうち卵巣にできるチョコレート嚢腫は閉経後卵巣がんのリスクがあるので、見つかった場合は切除するなど何かしらのフォローが必要になります。
女性が気をつけたいがんは?
1位:乳房
2位:大腸
3位:肺
4位:胃
5位:子宮
(元データ:全国がん登録罹患データ)
●2020年死亡数の順位(女性)
1位:大腸
2位:肺
3位:膵臓
4位:乳房
5位:胃
(元データ:人口動態統計がん死亡データ)
他の部位に比べ、女性は乳がんの罹患率が圧倒的に高く、30代後半から一気に増えます。しかし、乳がんの罹患率は1位ですが、早期発見・早期治療により救命できるがんになっており、死亡数は4位になっています。
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2023年『美ST』1月号掲載
撮影/岡本卓大、平林直己 ヘア・メーク/神谷真帆 スタイリスト/北橋野枝 取材/菊池真理子 編集/佐久間朋子