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不妊の原因は人それぞれ。不妊治療が長期にわたっている場合は「女性の不妊症」以外の要素にも目を向けてみても。女性側の原因と思いがちですが、実は不妊の約半数は男性側に原因が。夫婦で一緒に取り組むことが重要です。
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妊娠はするもののお腹の中で赤ちゃんが育たず、2回以上流産を繰り返すことを不育症といいます。流産は女性の加齢とともに増加。40代では40%~と流産の確率が高まります。「妊娠初期に流産してしまう大きな原因は胎児の染色体異常ですが、2回以上流産を経験した場合には専門のクリニックで不育症の検査をしましょう」(岡田先生)。
不育症の原因には主に4つと言われています。1つ目は血液中の凝固因子に異常があり、血栓が作られやすくなる場合。2つ目は子宮に奇形が認められる場合。3つ目が甲状腺機能などの内分泌異常。4つ目が夫婦のいずれかの染色体の異常です。検査で原因を特定できたら、血液の凝固因子異常が原因であれば血液が固まらないようにする注射や漢方療法など、それぞれの原因にあった治療やコントロールを行います。
「不妊症の約半分は男性側に原因があります。射精の回数自体が少なく精子の運動率が減っていたり、膣内射精ができないなど性交障害を持っている人も増えています。妊活をしようと思ったら女性だけではなく夫婦両方が検査を受け、お互いに妊娠に向き合うことがとても重要です」(岡田先生)。
男性の不妊症の主な原因は精子の数が少ない、精子の動きが悪い、精子の奇形などの造精機能障害で全体の82.4%に。そのほか、性行為ができない性機能障害が13.5%、精巣内で精子を作る能力はあっても精路が詰まり、精子が通れない閉塞性精路障害が3.9%。サウナや長時間の入浴など、精巣を長い時間、高温環境におくと男性不妊の原因になる可能性があるので、妊活中は注意が必要。検査で問題があれば、それぞれの治療や手術を行います。
精子凍結保存とは、卵子凍結と同じように採取した精子を凍結して保存する方法。体外受精や人工授精の当日に採精できない場合や、精子の数が少ない場合に、あらかじめできるだけ多くの精子を凍結保存しておき、受精させます。また、病気の治療などの影響で精子にダメージが加わることが分かっている場合に凍結保存しておくと、将来の不妊治療に使用することが可能になります。(画像提供:にしたんARTクリニック=新宿、日本橋など首都圏4院のほか、名古屋、大阪、神戸、博多など全国にART〈生殖補助医療〉クリニックを展開)
グレイス杉山クリニック SHIBUYA院長
岡田有香先生
聖路加国際病院にて不妊治療に携わる。’21年より杉山産婦人科でも不妊治療を学ぶ。卵子凍結とプレコンセプションケアに特化した診療を行う。
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2024年『美ST』9月号掲載
イラスト/green K 取材/伊藤恵美
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2024年12月16日(月)23:59まで
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