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【レシピ付き】ラクで美味しい!「うなぎ風蒲焼きごはん」

長年、料理の仕事に携わってきた〝ばあば〟のレシピには、知恵と工夫と愛情がいっぱい。あわただしい毎日を送る40代50代の美ST世代に伝え遺したい、とっておきのひと皿を教えてもらいました。今回は、意外と作るのがラクで体や心もスッキリする精進料理のひと皿を紹介します。

今日の長生きレシピは「蒲焼きごはん」

曉美さん、五月さん姉妹が精進料理に出合ったのは、ちょうど私たちと同じ40代のころ。「子育てが一段落し、これからの人生をどう生きればいいのか、迷っていた時期ですね。精進料理を教えている知人にすすめられて、ピンとくるものがあったんです。さっそく始めてみたら、体も心も『さっぱり』してきて」と、五月さん。それを聞いた曉美さんも、すぐに精進生活をスタートする。

「もともと肉や魚より野菜が好きだし、直感的に面白そうだなと思いました。やってみてわかったのは、とにかく『楽』だということ。気持ちや体が楽になるし、動物性の油脂を使わない料理は、洗いものが断然、楽。食材を無駄にしないから生ゴミも最小限になって、いいことずくめ」(曉美さん)

精進料理というと、地味で質素なイメージだが、2人が教える料理はバラエティ豊かで楽しい。「肉、魚、五葷(ごくん:ねぎ、にら、にんにく、あさつき、らっきょう)、酒は使わず、野菜、豆、穀物、海藻などの自然の恵みを大切にいただくのが精進料理。でも、無理や我慢をする必要はないんです。アレがダメならコレがある、と創意工夫する楽しみも伝えたいと思っています」(五月さん)

そんな2人の思いを象徴する「蒲焼きごはん」は、じゃがいもと海苔で鰻の蒲焼きを表現した〝もどき〟料理。五月さんは言う。「料理教室の1回目は、いつもこれと決めています。みんなが大好きなカリッ、モチッとした食感と、甘辛い味。多めに作って、揚げてから冷凍保存しておくと、日々のおかずやおやつに便利。楽しみながら作って食べて、精進料理に興味を持ってくれたらうれしいです」

「iori」は、姉の園部曉美さん(右)と、妹の中園五月さん(左)の姉妹による精進料理ユニット。1997年からともに精進料理生活を始め、2008年に「精進料理の会」をスタート。日常のなかで無理なく続けられる精進料理を提案している。現在は神奈川県を拠点に活動し、テレビ神奈川「猫のひたいほどワイド」にも毎月出演。著書『おばあちゃんの精進ごはん』(インプレス)は海外で翻訳もされ続刊も発売。

材料(2人分)

じゃがいも……中3個
焼き海苔……全型1枚と1/4枚
粉山椒……適量
揚げ油(植物油)……適量
ごはん……2膳分

<蒲焼きのたれ>
A:てんさい糖……大さじ3
A:醤油……大さじ3
A:水……大さじ3
A:じゃがいものでんぷん……小さじ1

作り方

① 鍋にたれの材料Aを合わせておく。じゃがいもは皮ごとすりおろし、ザルとボウルを重ねたところに入れて、水分を粗濾しする。
② ボウルに溜まった水分は、うわずみを捨て、底に溜まった白いでんぷんの小さじ1ほどを❶の鍋に加えよく混ぜる。弱火にかけ、艶が出てとろみがついたら、たれの完成。
③ 焼き海苔は全型を8等分、1/4枚を2等分に切り、全10枚にする。フライパンに揚げ油を底から1cmほど入れ、中火で温める。
④ 手のひらに海苔を1枚取り、スプーンで❶のじゃがいもをのせて平らにならし、縦横に筋を入れる。
⑤ 海苔を下にして❸のフライパンに入れ、揚げる。表面が固まってきたら裏返し、きつね色になるまで揚げ、油を切る(残りも同様に)。
⑥ 器にごはんを盛り、❺をのせ、❷のたれをかけ、粉山椒をふる。

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2022年『美ST』3月号掲載
撮影/須藤敬一 取材/伊藤由起 編集/小澤博子

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