HEALTH
元気に1日を過ごすために欠かせない朝ごはんですが、忙しかったり、ダイエット中はカロリーを気にして控えている人も多いのでは。しかし、朝食を抜くと実は太りやすくなることも。そこで今回は、ダイエット中にぴったりなお手軽朝ごはんやダイエット中におすすめのコンビニフードなど、ダイエッターの食生活に役立つ情報をご紹介。ダイエットの成功率を高め、今度こそサイズダウンしたい人はマストチェックです!
仕事や家事で忙しくて時間がなかったり、朝は食欲がわかないという理由から、朝ごはんを食べない女性が多いというのが現状です。厚生労働省が実施した平成29年の「国民健康・栄養調査」によると、40〜49歳女性の15.3%が朝ごはんを食べていないという結果に。
※「朝食の欠食率」:調査を実施した日(任意の1日)において朝食を欠食した者の割合。欠食とは、「食事をしなかった場合」「錠剤などによる栄養素の補給、栄養ドリンクのみの場合」「菓子、果物、乳製品、嗜好飲料などの食品のみの場合」の合計。
※出典:「平成29年 国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf)
朝食を抜くことが必ずしも太るとは限りませんが、食事の間隔が開きすぎると食後の血糖値が一気に上がり、太りやすくなります。朝ごはんを食べないと摂取カロリーが減って痩せると思いがちですが、実は逆効果。健康的にダイエットしたいなら、朝ごはんは食べたほうがいいのです。
体内時計とは身体に備わった一定のリズムで、約25時間サイクルと言われています。この約1時間のズレをリセットするには、「朝の光」と「朝食」が有効だそう。体内時計は体調不良や老化にも関わっているため、ダイエットに限らず毎日朝ごはんを食べてリズムを整えることが大事。
体内時計のリセットには、朝ごはんに炭水化物とたんぱく質を意識して摂ることが大切だと言われています。パンやおにぎりだけの炭水化物に偏った食事ではなく、バランスを意識しながら朝ごはんのメニューを考えましょう。
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、30~49歳の成人女性の推定エネルギー必要量は、身体活動レベルによって多少異なります。
自宅にいてほとんど外出していない身体活動レベルが低い人は1日につき1,750kcal、普通の人は2,050kcal、高い人は2,350kcalとしています(※1)。これを1日3食として3で割ると、1食583〜783kcalという計算になりますが、ダイエットを考えるなら、朝ごはんは500〜600kcalを目安にすると太る心配が少なく、安心です。
数値を大きく上回る場合はカロリーオーバー、逆に大きく下回る場合は栄養不足の可能性があるので気をつけましょう。また、朝ごはんをたくさん食べてしまった時は、昼食や夕食を低カロリーのメニューに置き換えるのもあり。最近は置き換えダイエット食品が多数あるので、いざという時の助っ人として取り入れてみて。
※1 出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586556.pdf)
ここではダイエット中の朝ごはんで意識して摂りたい栄養素や食材をわかりやすく紹介します。体内時計の話でも触れた炭水化物やたんぱく質はもちろん、食物繊維も意識して摂りたい栄養素。さらに、美ST読者の間で関心度が高く、実際に朝食べている人が多いフルーツや乳製品についても、選び方のポイントや美容・ダイエット面のメリットをまとめました。
炭水化物は朝の貴重なエネルギー源に。特に朝は、血糖値の急上昇を抑えるためにも、自律神経を整えるためにも、食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に含んでいる全粒穀物がおすすめです。白米よりももち麦入りや玄米、食パンなら全粒粉パン、ライ麦パンなど、真っ白ではなく茶色い炭水化物を毎日少しずつでも摂る習慣をつけましょう。お米は食べやすくおかゆにしてもOK。また、最近話題のオートミールも全粒穀物なので朝ごはんに◎。オートミールを使った料理や手軽なオートミール入りグラノーラを朝食に取り入れてみて。
量はお米ならお茶碗軽く1杯、食パンは1枚、オートミールは30g程度を目安に。
痩せやすい体をつくりながらダイエットをするためには、筋肉を減らさないようにすることが大事。たんぱく質を適量摂り、筋肉を維持しましょう。たんぱく質は筋肉だけでなく、骨や肌、髪をつくるもと。過度な食事制限でたんぱく質が不足していると、痩せにくくなったり、肌や髪の潤いが失われてしまうことも…。卵や納豆、豆腐、鶏肉、鮭などを食べてたんぱく質を摂ることが大切です。特に、卵や納豆は脳の健康に欠かせないブレインフード。朝ごはんにぴったりです。
量は卵なら1個、納豆は1パック、鮭1切れを目安に。
野菜やきのこ、海藻類は、ビタミンやミネラル、食物繊維を多く含み、主に体の調子を整える働きをします。特に朝はデトックス効果の高い、ブロッコリーや人参、トマトといった色の濃い野菜がおすすめ。寝起きの朝は、温野菜にしたり、野菜を細かく切ると食べやすくてGOOD。最近は野菜の冷凍食品も充実しているので、レンチンして食べられるものを活用しても。
量は、両手を広げてサラダボウルにした時にのるくらいを目安に。予想以上に多く感じるかもしれませんが、これは炒めたりする前の生の状態の目安です。食物繊維が入っているものはすべてカウントしていいので、次に紹介するフルーツも入れてOK。
美ST読者の間でも朝に食べている人が多い、バナナ、りんご、キウイなどの果物。朝のフルーツは“金”と言われるように、腸の調子を整える水溶性食物繊維がたっぷりで、朝食べることで午前中の腸のデトックスタイムを最大化します。果物に含まれる果糖は白砂糖と比べて血糖値の急上昇が穏やか。しかもスピーディにエネルギーに変わるので、朝の脳のエネルギー源にもなります。
中でもバナナとキウイは、包丁で皮を剥く必要がなく手軽に食べられるので、時間のない朝にピッタリ。バナナはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、腹持ちのよさも特徴。キウイはビタミンCの宝庫で、食物繊維、ミネラルなどの栄養素もたっぷり。美と健康にいいフルーツです。
ダイエット中の朝ごはんにマストではないけれど、美ST読者でも好きな人が多い乳製品。乳製品はカルシウムの重要な供給源であり、吸収スピードが速い良質のたんぱく質、代謝を高めるビタミンBも補給できます。
ダイエット中なら、牛乳より腸に負担をかけないヨーグルトや豆乳がおすすめ。発酵食品のヨーグルトは腸内環境を整えますが、つい食べすぎてしまう人は低脂肪ヨーグルトを選ぶのが得策です。
また、豆乳には動物性&植物性のたんぱく質が含まれるので、筋力アップに相乗効果が。そして、ミルクの代替品として最近人気を集めている植物性飲料のアーモンドミルクもダイエット中にうってつけ。低糖質でビタミンEが代謝促進をサポートします。
ダイエット中の朝ごはんメニューは、主食・主菜・副菜を中心にバランスよく選ぶことがポイントです。ここでは、管理栄養士の松田真紀さんが提案してくれた、和食、洋食、時短別におすすめの献立&簡単レシピをご紹介。インスタントや冷凍食品を使ってもOK、2〜3品だけでもOKです。朝ごはんを抜いている人は、まずは毎朝美味しく食べることを習慣化することを大切に。
管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。アスリートフードマイスター3級。18才から15年以上20kgの体重増減を経て摂食障害に。苦しいダイエット生活の末、外食、コンビニOKのラクして楽しむダイエットを提案。年間1000人以上のダイエットカウンセリング、企業や施設団体の講演など多方面で活躍中。著書に『居酒屋ダイエット』(三笠書房)がある。
ダイエットで意識したい低脂肪・高たんぱくの理想的な和食メニュー。和食は焼いたり煮たり手間がかかりそうなイメージですが、どれもあっという間に作れるものばかりです!
【献立】
●梅干しとジャコ入りのもち麦おにぎり
●トマトと塩鮭のホイル焼き
●ゆで卵入り味噌汁
●めかぶキムチやっこ
●キウイフルーツのオリーブオイルがけ
【作り方】
梅干しとジャコ入りのもち麦おにぎり
温めた市販のもち麦ごはんに、梅干しとジャコ、ごまを混ぜておにぎりに。もち麦は血糖値の急上昇を抑えてくれるので、ダイエット中でも安心。梅干しは疲労回復や代謝促進、免疫力アップが期待できます。
トマトと塩鮭のホイル焼き
塩鮭とプチトマトを一緒にホイルで包み、トースターで焼くだけでOK。仕上げにパセリを散らすと彩りも◎。トマトに含まれるうまみ成分のグルタミンは食欲を抑制。塩鮭の塩分を排出し、むくみ予防にもなります。アスタキサンチンが豊富な鮭は、エイジングや美容効果があるので美しく痩せたい人におすすめの食材。塩鮭で味がついているので、調味料不要のお手軽レシピです。ホイル焼きで塩鮭がふっくら柔らかくなり、朝でも食が進む一品。
ゆで卵入り味噌汁
好きな具材の味噌汁にゆで卵を入れるだけ。卵を入れることでコクが出てポタージュ風になるので、味噌汁が苦手な人も食べやすくなり、パンにも好相性。食欲がない時は、具なしの味噌汁にゆで卵を入れて食べるだけでもGOOD。
めかぶキムチやっこ
めかぶ酢パックとキムチをあえて豆腐にかければ出来上がり。めかぶには、ダイエットに必須の水溶性食物繊維がたっぷり。朝食べることで、腸のデトックスタイムであるAM10〜11時を最大活用できます。さらに発酵食品のキムチと酢で腸活作用バッチリ。淡白な豆腐が満足度の高いおかずになります。
キウイフルーツのオリーブオイルがけ
便秘解消フルーツの筆頭キウイ。ペクチンが豊富で糖質も低いため、ダイエットに最適です。オリーブオイルをかけることでさらに血糖値の急上昇を抑えるとともに、オレイン酸の働きで腸のぜんどう運動を助け、快便に導きます。
パンにバターを塗るだけ、ミルクを注いだシリアルを食べるだけでは栄養に偏りが。簡単だけど栄養バランス抜群、見た目もおしゃれな洋食メニューを教えてもらいました!
【献立】
●サラダチキンの全粒粉ピザトースト
●アボカドの温泉卵のせ
●玉ねぎのアーモンドミルクスープ
●フルーツ酢の野菜ピクルス
●ホットバナナヨーグルト、くるみ添え
【作り方】
サラダチキンの全粒粉ピザトースト
ビタミンやミネラルが豊富な全粒粉の食パンに、市販のサラダチキンととろけるチーズをのせてトースターでこんがり焼き、お好みでパセリを。全粒粉はゆっくり消化される食物繊維が豊富で、次の食事の血糖値にも影響を及ぼすセカンドミール効果があります。朝食べると、昼食後の血糖値の急上昇も抑えるため朝食に最適。サラダチキンがちょっと苦手…という人も、ピザトースト感覚で美味しく食べられるので心も満たされます。
アボカドの温泉卵のせ
アボカドを縦2つに割って種を取り、くぼみに市販の温泉卵をのせ、オリーブオイルと塩コショウをかけます。食物繊維が豊富な腸活フードのアボカドと、ブレインフードの卵を使った料理は、ダイエットにも美容・健康にも超おすすめ。オリーブオイルに含まれるオレイン酸が腸のぜんどう運動を活発にし、アボカドの腸活力を高めます。
玉ねぎのアーモンドミルクスープ
インスタントの玉ねぎスープに、お湯の代わりに温めたアーモンドミルクを加えるだけ。玉ねぎのケルセチンが血流を促進。さらに低糖質のアーモンドミルクに豊富に含まれるビタミンEにも代謝を高めて血流を促進させる働きがあるため、まさに〝血流促進スープ〟といえる一品。冷蔵庫で冷やしてもビシソワーズみたいで美味しい。
フルーツ酢の野菜ピクルス
ジップロックなどの袋にキャベツや人参、パプリカなどの千切り野菜と、浸かるくらいのりんご酢を入れ、軽く揉んで冷蔵庫でひと晩おくだけの簡単ピクルス。腸内環境を整えるフルーツ酢と野菜のいいトコどりした一品です。酸っぱすぎないのですぐに食べても美味しく、1週間程度持つのも嬉しい。ざくろ酢などの好きなフルーツ酢で作ってもOKです。また、野菜は千切りされた市販のものを使っても、ピーラーでスライスしてもいいので、やりやすい方法で作ってみて。
ホットバナナヨーグルト、くるみ添え
ヨーグルトは人肌程度にレンジで10〜20秒ほど温め、バナナやキウイ、ベリー類、くるみを添えます。ベリー類は糖質が低く、ポリフェノールが豊富な低GIフルーツ。ヨーグルトは軽く温めることで、体を冷やす果物のデメリットの解消にもつながります。くるみは魚と同じオメガ-3系オイル。朝食べることで脳を活性化し、メンタルを整える働きも。
朝ごはんは食べたいけど、正直ラクしたい時もあるもの。野菜やフルーツを使ったスムージーやヘルシー素材で作られたシリアル&グラノーラもいいけれど、全粒穀物食のオートミールを使ったレシピは、簡単でエイジングケアをサポートするなど美容メリットもいっぱい。朝寝坊した時にも重宝します。
【献立】
●フルーツたっぷりオーバーナイトオーツ
【作り方】
フルーツたっぷりオーバーナイトオーツ
前日の夜に仕込むオーバーナイトオーツは、オートミールのベーシックな食べ方のひとつ。今回は低糖質のアーモンドミルクやMCTオイル(またはココナッツオイル)を使うのがポイントです。器にオートミール(30g程度)と浸るくらいのアーモンドミルク、MCTオイル(またはココナッツオイル)小さじ1、くるみ、レーズンを入れ、冷蔵庫でひと晩ふやかします。朝食べる前にキウイやバナナをのせると、スイーツ系の朝ごはんに。
MCTオイルはエネルギーに早く変わるため、朝だるい、なかなか体が動かない…といった朝が苦手な人に最適。毎日小さじ1程度摂り続けると、ケトン体が脂肪を燃やしやすくするダイエット効果も。アーモンドミルクの量は調整しながら好きな硬さを見つけてください。
身近なコンビニフードはダイエット中にもおすすめ。カロリーや糖質量が記載されている商品が多く、ダイエット中や糖質制限中の強い味方に。もち麦ごはんやサラダチキン、アーモンドミルクなど、すでに挙げているダイエット中におすすめの食品は、コンビニでも手軽に購入可能。ここでは、美ST世代に特におすすめしたいコンビニフードをご紹介します!
写真右上・管理栄養士の松田さんもお気に入りの一品。「キャラメリゼしたスライスココナッツが入っているので、ヨーグルトに甘さをプラスしたい時に使っています。ココナッツは中鎖脂肪酸でスピーディにエネルギーに変わるので、ダイエット中のエネルギー不足からくるイライラやだるさにもおすすめです」(松田さん)。くるみとココナッツのキャラメリゼ 素焼きアーモンド入り 40g(ナチュラルローソンにて¥208で購入)
右下・手軽に食べられるおにぎりにはもち麦入りも。国産もち麦入り枝豆と塩昆布おにぎり(ローソンにて¥125で購入)
左下・糖質・カロリーが控えめな人気のブランパン。1個あたりの糖質は2.2g、カロリーは63kcal。シンプルな味わいでいろんな食事に合います。ブランパン2個入 乳酸菌入(ナチュラルローソンにて¥120で購入)
左上・どのコンビニでも見かけるようになったアーモンドミルクは豆乳よりさらに低糖質なので朝の飲み物にうってつけ。必ず無糖タイプを選んで。1パック32kcalと低カロリー。アーモンド・ブリーズ 砂糖不使用 200ml(ナチュラルローソンにて¥113で購入)
上段中・あっさりした鶏ムネ肉ソーセージにジンジャーの風味をプラス。朝食にも食べやすいサイズが嬉しい。あさラダチキン チキンスティックミニ ハーブ 40g(ローソンにて¥108で購入)
1日を元気に過ごすためにも、痩せやすい体づくりを目指すためにも、朝ごはんは重要です。人それぞれ体質や体調などで適量も変わってくるので、朝から無理して沢山食べる必要はありません。自分が美味しく食べられる量でいいので、まずは朝ごはんを抜かずに毎日食べる習慣を。便利な冷凍食品やコンビニフードを活用しながら、朝ごはんを美味しく食べて痩せ体質を叶えましょう!
撮影/相澤琢磨 フードスタイリスト/鮓本美保子 取材/木林奈緒子 編集/矢實佑理
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