HEALTH
寒さと乾燥による免疫力の低下が心配な季節。体を温めながら「肺」を潤す薬膳で、風邪に負けない体をつくりましょう。おもてなしにもピッタリのレシピを、予約の取れない薬膳料理教室を主宰する新開ミヤ子さんが教えてくれました。
漢方では、鼻から肺までの呼吸器エリアを「肺」と考え、いまの時期は「肺」を潤すケアを重視します。秋から始まる空気の乾燥は冬に向かって増していき、呼吸をするたびに乾いた空気が鼻から体内に入って、「肺」を乾燥させます。結果、ウイルスやアレルゲンに対する防御力が低下してしまうのです。寒い冬には「温活」も大事ですが、サウナをイメージしてもわかるように、ただ体を温めるだけでは、肌も粘膜も乾燥する一方。ですからこの時期の薬膳は、体を温める食材や調理法に、肺を潤す食材を組み込むのが基本。食の力で、免疫力を上げていきましょう。
薬膳料理・韓国料理研究家。国際中医師、国際中医薬膳師。薬膳料理教室「薬膳Salon」主宰。薬日本堂漢方スクールの講師としても活躍。著書に『冷えとり薬膳レシピ』『漢方毒出しスープ』(ともに河出書房新社)など。
【材料】(4人分)
白きくらげ(乾燥)…10g(水で戻してよく洗い、石づきを除く)
エビだんご
・むきエビ…250g
・塩、片栗粉…各適量
・酒…少々
えのき茸…1袋(食べやすい長さに切る)
三つ葉…適量
チキンスープ、和だし(昆布、かつお)…各600㎖
淡口醤油…少々
塩、白こしょう…各適量
【作り方】
❶ 白きくらげは食べやすい大きさにちぎり、水けをよく切る。
❷ 鍋にチキンスープと①を入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にし、10分煮る。
❸ むきエビは塩、片栗粉各適量を振ってもみ洗いし、水けをしっかり拭き取る。塩少々、片栗粉小さじ1、酒を加え、フードプロセッサー(またはすり鉢)でなめらかな練り物状にする。
❹ 鍋に和だしを温め、③をスプーンで丸めて落とし、ごく弱火で表面が固まるまで煮る。
❺ ②と④をひとつの鍋に合わせて、えのきを加えて煮立て、淡口醤油、塩、白こしょうで調味し、三つ葉を加えて火を止める。
楊貴妃も美肌のために食べていたという、白きくらげ。肺をしっかり潤すことで肌も潤った状態となり、もちもちの美肌をキープできます。エビは魚介類の中では珍しく体を温める食材なので、冬でも安心。
【材料】(4人分)
れんこん餅(4個分)
れんこん…300g(すりおろして水分を搾る。搾り汁は取っておく)
A 山いも…30g(すりおろす)
A 白玉粉…20g
A 片栗粉…10g
鶏そぼろ(作りやすい分量)
鶏ひき肉(もも)100g
B 生姜のみじん切り…8g
B 長ねぎのみじん切り…白い部分10cm分
C 赤味噌…大さじ1
C 酒、醤油…各大さじ1/2
C 砂糖…小さじ1/2
ごま油…小さじ2
揚げ油…適量
きのこあん
和だし(昆布、かつお)…400㎖
D 酒、みりん…各小さじ1
D 淡口醤油…大さじ1
好みのきのこ…150g
くず粉(または片栗粉)…適量(同量の水で溶く)
柚子の皮…適量(削る)
クコの実、さっと茹でた百合根…各適宜
【作り方】
❶ 鶏そぼろを作る。フライパンにごま油を熱し、Bを炒め、鶏ひき肉を加えてポロポロになるまで炒め、Cで調味し、粗熱を取る。
❷ れんこん餅を作る。ボウルに、すべての材料を入れて混ぜ合わせる(硬ければれんこんの搾り汁で調整)。4等分してそれぞれ丸める。
❸ ②のれんこん餅で、①の鶏そぼろを適量包み(梅干しおにぎりの要領で)、楕円形に整え、170℃の油できつね色に揚げ、油を切る。
❹ きのこあんを作る。鍋に和だしとDを入れて煮立て、きのこを加えて火を通す。水溶きくずでとろみをつけ、器に注ぐ。れんこん餅をのせ、柚子の皮を振り、好みで百合根、クコの実を飾る。
れんこんは肺を潤す食材の代表選手。古くから、咳、のど痛などのケアによいとされ、血のめぐりよくして胃腸の機能を助けてくれます。気を補うきのこをたっぷり加えることで、さらなる免疫力アップを狙って。
【材料】(4人分)
スペアリブ…8本
生姜…1かけ(薄切り)
にんにく…1かけ(薄切り)
長ねぎの青い部分…適量
片栗粉…適量(同量の水で溶く)
茹でた青梗菜、アーモンド、くるみ、松の実など…各適量
黒酢ソース(作りやすい分量)
黒酢…大さじ6
黒砂糖…大さじ8
酒…大さじ3
醤油…大さじ2
みりん…大さじ2
オイスターソース…大さじ1
【作り方】
❶スペアリブは1~2時間浸水して血抜きをし、流水で洗って水けを切り、鍋に入れる。しっかりかぶるくらいの水を加え、強火で沸騰させて茹でこぼし、ふたたび流水で洗う。
❷厚手の鍋に①と、かぶるくらいの水を入れて強火にかけ、沸騰したら、生姜、にんにく、長ねぎの青い部分を入れて弱火にし、クッキングシートで内蓋をしてから蓋をし、約30分茹でる。冷めるまで蓋を開けずに置く。
❸黒酢ソースの材料をすべて鍋に入れ、黒砂糖を煮溶かして火を止める。※冷蔵庫で約6カ月保存可能。
❹フライパンにスペアリブに絡まる量の黒酢ソースを入れて温め、スペアリブの茹で汁で味を調えて2の肉を入れ、温まったら水溶き片栗粉でとろみをつける。器に盛り、茹でた青梗菜とナッツ類を添える。
豚肉は体内の血や体液を補い、乾燥を予防して肌を潤す「潤肌(じゅんき)」作用にも優れた食材。黒酢は体を温め血の巡りをよくし、アンチエイジングに役立ちます。甘酸っぱい味も潤いアップに◎。貧血や低血圧が気になる人にもおすすめ。青梗菜は血の巡りをよくします。
トッピングしたアーモンドやくるみ、松の実も、潤肺にひと役。いずれも栄養豊富で滋養強壮効果が高く、肺や腸を潤して、美肌づくりに役立ちます。
旨みたっぷりのスペアリブの茹で汁は、血を補いきれいにする湯葉やきのこを加えて、スープとしていだだくのがおすすめ。食材の力を余さずチャージして。
【材料】(4人分)
甜杏仁粉(または杏仁霜)…40g
砂糖…30g
牛乳…400㎖
板ゼラチン…約8g(冷水でふやかす)
生クリーム…100㎖(ホイッパーで6分立てにしておく)
黒ごまクリーム(パン等に塗るタイプ)…適量
【作り方】
❶ボウルに甜杏仁粉、砂糖を入れたら、牛乳を少しずつ注いでダマにならないように混ぜ、鍋に移して中弱火にかける。ふつふつとしてきたら(沸騰させないよう注意)、水けを切ったゼラチンを加え、手早く溶き混ぜ、火を止める。
❷鍋底を氷水に当てて粗熱を取り、6分立てにした生クリームを加えて混ぜ、容器に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。食べる直前に黒ごまクリーム(硬い場合は少量の湯で緩める)をトッピングする。
甜杏仁粉(杏の種の一部をパウダー状にしたもの)は、咳を鎮め、呼吸器や皮膚を潤し、腸の粘膜も潤してくれる素材。トッピングの黒ごまは血を補ってくれる素材で、乾燥肌や白髪などの予防に役立ちます。
2022年『美ST』1月号掲載
撮影/土居麻紀子 料理/新開ミヤ子 スタイリング/曲田有子 取材/伊藤由起 編集/小澤博子
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