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日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。図書館司書として働く波子さん(仮名:49歳)も、県庁勤務の太さん(仮名:55歳)と約10年間性交渉がないといいます。あるとき「セックスレス解消法」に関する記事を読んだ波子さん。ものは試しにと記事を参考に夫婦2人きりで思い出の温泉宿に行ってみたそうですが、そこで“思わぬ副産物”があったといいます。
高校2年生のひとり娘がいる波子さんと太さん。夫妻が最後に性交渉を持ったのは「2人目妊活をしていた10年ほど前」。
「娘が保育園のころは『男の子も欲しいね』とタイミング法をとっていたんですが、その後娘に問題が持ち上がり、なんとなく立ち消えになりました。小学校に入ってすぐのころから、娘には行きしぶりがあり、子ども家庭支援センターに相談したんです」
発達障害の可能性なども疑って、娘のAちゃん(仮名)は、いくつかの検査を受けたといいます。
「専門の医療機関を受診したところ、分離不安症と診断されました。医師からは『発達障害というより不安の問題でしょう』と説明を受けました。私は娘が1年生のうちは仕事を休み、週に3回ほどは娘の背後にぴったり寄り添って一緒に授業を受けるように。残りの日は夫が寄り添うか、お休みするかしていました」
波子さんがまるで「ひとり授業参観」のように後ろで見守る生活は2年生から解消したそうですが、完全に悩みがなくなったわけではありません。
「2年生からは学校に、教室とは別にのんびり学習ができる部屋が設けられて、娘はそこに保健室登校のようなかたちで通ってくれるようになりました。そしてスクールカウンセラーさんの導きもあって、徐々にクラスにいられる日も増えていきました。ただ、なにしろ繊細な子ですから、その後も夫とともに娘のケアを続けてきたという感じです」
公務員として働きながらAちゃんを見守ることに必死だった波子さん夫妻は、いつの間にか妊活のことを忘れていたそうです。
「セックスレスは、思ったより自然にやってきて自然に過ぎていきました。30代のころは生理前にモヤモヤと性欲のようなものを感じることはありましたが、それほど気にもなりませんでした」
波子さんは、生理痛やPMSもあまり自覚がなかったタイプ。
「おそらく夫には性欲はあると思いますし、浮気を絶対していないという確信もありません。ただ、嵐のようだった子どものサポートと仕事、夫担当の家事の合間に、仮に浮気をしていてなおかつ私にバレなかったとしたら、もはや『すごいな』と思います」
それほど、Aちゃんの見守りが必要だった時期は夫婦そろって多忙だったそう。
「同時に、夫は優しく控えめな性格です。私としては浮気のひとつくらいしていてもいいけれど『そんなアグレッシブなことをするタイプかな?』というのも本音といえば本音です」
娘のAちゃんが、柔軟なカリキュラムとメンタルケアに定評のある私立高校に入学するまで、波子さん夫妻は「子育てと娘のメンタル」にかかりきりでした。
「娘が自分で選んで入学した高校は、不登校だった子や帰国子女が多い自由な校風。演劇部に入って友達もできた娘は、今は元気に通っています。とはいえ思春期に入ったので違う問題が出てきたんですけど…」
演劇を始めたAちゃんは、都心へ友達と「推しの舞台」を見に行くことが増え、帰宅時間が遅くなることも増えたそうといいます。
「まだ17歳ですから、門限を破れば怒りたくもなりますし、ましてや娘の行く小劇場は繁華街。心配でつい小言を言ったり、夜はGPSをオンにするように言って何度も電話したりしてしまって、ケンカが絶えません。娘の『門限を守るし出かける友達は教えるから、ほっといて』という気持ちもわかるのですが…。そろそろ子離れをして、私自身のことを考えるべきなのかと悩み始めていました」
そんなころ、波子さんはWEBで「セックスレス夫婦は、新婚の頃に行った思い出のホテルなどに2人で泊まると、レス解消の可能性が上がる」といった趣旨の記事を目にします。
「ものは試しにと実際に行ってみました。ちょうど軽井沢で会いたい同級生がいたので、若いころに夫と行った軽井沢の高級旅館を2泊予約して。娘には『パパとママは旅行に行くからなにかあればおばあちゃんちに行って。うちに友達を呼んでもいいけど、夜中の外出はやめなさい。夜、電話するね』と伝えて、自由にさせてみました。彼氏が来てもかまわないくらいの覚悟でしたが、義母によると実際には女友達が2人泊まりに来ていたそうです」
肝心の波子さん夫妻ですが、セックスレス解消は「全然無理」だったそう。
「旅行は本当に楽しかったんです。軽井沢も旅館も最高でした! 美しい日本料理を堪能して、温泉に入って景色を楽しんで、夫婦で早寝早起きして自然散策。夫はリスを見つけて大喜びしていましたし、私は夫が寝てから温泉にもう一度入りに行きました。2日では足りないくらい楽しくていい旅行でした。夫婦共通の旧友夫妻にも会って、懐かしい話をたくさんしましたし」
そんななかで、当初の目的だったセックスレス解消については、「なんでこんなに楽しいのに、そんな不自然なことをしないといけないのか」と思ってしまったそうです。
「なにを今さら、50歳になろうという私が55歳の夫相手に気まずいことを言わねばならないのだ、もはや兄妹のような夫に『あの……そっちのベッドに入っていい?』と、10代の娘のようなことをいうのか、と。『夫との性交渉が嫌なわけではない。ただ、私は自然に気分よく過ごしたいだけなんだ』と、どうでもよくなりました」
レスを解消できたら、それを親しい友人に報告して話のネタにしたかったという波子さん。アラフィフ夫婦としての好奇心もあったそうですが…。
「今は『2人で高級旅館に泊まるためにお金を貯めたい』という気分になっています。我が家の場合は、レス解消は、急にどちらかの気持ちが若返らないかぎりないと思います」
そう波子さんは分析します。
「副産物としては、『友達とパジャマパーティーをした』という娘の態度が軟化していたことです。私が子離れしたように見えて、うざったさが減ったのかもしれません。昨日も、お芝居に行くときに『夜9時を過ぎたら電話するから』と言ってくれました。レス解消はご夫婦によってそれぞれだと思いますが、夫婦2人旅はオススメです」
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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2026年7月16日(木)23:59まで
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2026年6月16日(火)23:59まで
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