HEALTH
動悸や寝つきの悪さ、頭痛などの不調を感じていませんか? その不調、カフェインのとりすぎによるものかもしれません。コーヒーやお茶は毎日の楽しみですが、量や時間帯によっては体に悪影響を及ぼすことも。カフェイン過多で不調が起こる理由やとりすぎを防ぐための工夫を紹介します。
カフェインはさまざまな食品に含まれる成分で、眠気を払って集中しやすくする働きがあります。しかし、とりすぎると中枢神経が刺激されて動悸やめまい、頭痛、吐き気、不眠などの不調につながることがあります。
特に、短時間に多く摂取すると中毒症状が起き、嘔吐や下痢、意識障害などが起こることも。これらの不調を防ぐには、カフェインを含むもののとり方を見直し、適切な摂取を心がけることが重要です。
カフェインは身近な飲み物に含まれています。知らず知らずのうちにカフェインのとりすぎにつながりやすいものについて知っておきましょう。
朝の目覚めや仕事の合間にコーヒーや紅茶、緑茶などを頻繁に飲む習慣がある場合は、無意識のうちにカフェイン過多に陥っている可能性があります。
コーヒーは100mlあたり約60mg、紅茶は約30mg、せん茶は約20mgのカフェインを含んでいます。これらの飲み物を大きめのマグで何杯も飲む、食後や仕事の合間にこまめに飲むなどの習慣があると、少量の積み重ねでカフェイン過多になりやすいのです。
このほか、すっきりとした味わいで食事にも合わせやすいほうじ茶やウーロン茶にも100mlあたり約20mgカフェインが含まれています。水の代わりに一日中飲み続けていると、想像以上に多量のカフェインを摂取することになってしまいます。
仕事に集中したいときや疲労感を吹き飛ばすために活用されるエナジードリンクもカフェイン過多につながりやすい飲み物。
エナジードリンクは、商品によって異なりますが、100mlあたり約32~300mgのカフェインを含んでいます。瓶や缶1本でコーヒー2~3杯分に相当する大量のカフェインを含んでいることもあります。
エナジードリンクを嗜好品として飲んでいる人もいるかもしれませんが、日常的に飲む習慣があるとカフェイン過多による不調が起きやすくなるため注意が必要です。
カフェイン過多による不調を防ぐには、カフェインの摂取量を抑える工夫をすることが大切です。
コーヒーが好きなら完全に断つ必要はありませんが、飲む頻度を見直して飲みすぎないように調整することが大切。体への影響を抑えるには、目安として1日3杯程度にとどめましょう。
もし3杯以上の杯数を楽しみたくなったり口寂しさを感じたりした場合は、カフェインを取り除いたデカフェやカフェインレスのものに切り替えるのがおすすめ。
また一杯ずつの満足度を高めるために、香りを楽しんでゆっくり飲むなどの工夫をしましょう。
緑茶をよく飲む習慣がある場合は、抽出する温度を変えるのも効果的。緑茶は熱いお湯でいれるとカフェインが出やすくなりますが、冷水でいれる水出し緑茶ではカフェインの溶出量が抑えられます。
緑茶は低温でいれると渋みが抑えられてうまみを感じやすくなるという利点もあります。冷水で抽出した緑茶を作り置きしておくのがおすすめです。
カフェインを含む飲み物をノンカフェインの飲み物に替えるのもおすすめ。例えばハーブティーやルイボスティー、麦茶、黒豆茶などを選ぶとよいでしょう。
特に夕方以降にカフェインをとると睡眠にも影響する可能性があります。就寝前に温かい飲み物をとる習慣がある場合は、ノンカフェインの飲み物を選びましょう。
普段からカフェインを含む飲み物を多くとっている場合、カフェイン過多を解消しようとして急に完全に断ってしまうと、激しい頭痛や強い眠気といった離脱症状が起こることがあります。無理なく健康的な状態へ導くには、カフェインの摂取量を少しずつ減らすアプローチが理想的です。
「朝の一杯は残して午後はノンカフェインの飲み物にする」「エナジードリンクを飲む日を限定する」など段階的に進めましょう。カフェインによる影響の受けやすさは人によって差があるため、睡眠や動悸、頭痛などの不調の出方をメモすると摂取量の調整に役立ちます。
カフェインのとりすぎによる不調が続きがちなら、漢方薬を活用するのも一つの手。漢方薬は心と体のバランスを整えて体質を改善することで不調にアプローチします。カフェインによる影響で乱れた体の機能を整える効果が期待できます。
カフェイン過多による不調には「胃腸の働きを回復する」「自律神経の乱れを整える」「胃酸の過剰分泌を抑える」などの働きがある漢方薬を選びましょう。
・六君子湯(りっくんしとう)
もともと胃が弱く、食欲がなくて疲れやすい人に。胃腸の働きをよくして胃の余分な水分を取り除き、胃もたれや胃痛、消化不良を改善する漢方薬です。
・安中散(あんちゅうさん)
胃酸の分泌が多く、ストレスによる胃痛を感じやすい人に。胃を温めて痛みを改善したり、胃酸の過剰分泌を抑えたりして胃炎や胃酸過多、胸焼けなどを改善する漢方薬です。
漢方薬は成分によってはカフェインとの飲み合わせに注意が必要です。カフェインを含む飲み物の摂取前後の服用は避け、水や白湯で飲みましょう。自分に合う漢方薬や飲むタイミングなどを知りたいなら、専門家に相談するのが安心です。専門家の力も借りながらセルフケアに取り入れてみましょう。
健康な成人の場合、1日あたりのカフェインの摂取量を最大400mgまでに抑えるとよいといわれています。コーヒーであれば、マグカップ約3杯に相当します。ただし、妊娠中や授乳中の女性は200〜300mg(コーヒーであれば約2杯)が目安です。
また、カフェインへの感受性には個人差があり、同じ量を摂取しても症状が出ない人もいれば、動悸や頭痛、不眠などが起きる人もいます。数字だけで判断せず、体調のサインを基準に調整しましょう。
カフェインは適量であれば眠気を覚ましたり集中しやすくしたりする働きが期待できます。大切なのは過剰に飲み続けないこと。カフェインの摂取は午前中や日中にとどめ、夕方以降は控えるなどの工夫をしましょう。
動悸や吐き気、ふるえなどを感じたら、それ以上の摂取をやめてカフェインを含まない飲み物で水分をとり、静かな環境で休みましょう。胃腸の不調がある場合、食事の際には消化しやすい食べ物をとるよう心がけることも大切。症状が強い、嘔吐を繰り返す、胸の苦しさや意識の異変などがある場合は早めに医療機関へ相談してください。
教えてくれたのは…医師 木村 眞樹子さん
編集/根橋明日美
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