PEOPLE
「ごくごく普通の、横須賀の女の子でした」とはにかみながら語る石川梨華さん。ごく普通の女の子はテレビで歌って踊るモーニング娘。に憧れ、一念発起でオーディション番組に応募。デビューを勝ち取り、時代の象徴とも呼べる大人気グループへ飛び込みました。当時は弱冠15歳。年下の同期の指導役として苦労したり、休む間もないスケジュールをこなす経験を通じて、今ようやく「もっと甘えてもいい」と思えるようになったと語ります。あれから24年、改めて石川さんにモーニング娘。時代のエピソードを振り返っていただきました。
《Profile》
1985年1月19日生まれ。神奈川県出身。2000年4月、「モーニング娘。追加メンバーオーディション」にて第4期メンバーとして選ばれる。モーニング娘。卒業後は、3人ユニット「美勇伝」の活動を経て、ソロで精力的にタレント活動を行う。2011年には、モーニング娘。のOGで結成した期間限定ユニット「ドリーム モーニング娘。」のメンバーに。全国ツアーを開催し、2012年には日本武道館にてコンサートを行うなど活躍。現在は6歳の男の子、4歳の男の子のママ。Instagramは@rika_ishikawa_official
芸能界への憧れはありませんでした。でもテレビは大好きで、デビューのきっかけになったオーディション番組「ASAYAN」も毎週観ていて、モーニング娘。もファン目線で応援していたんです。初期メンバーの福田明日香ちゃんは同い年だし、親近感があって。
でもあの頃のモーニング娘。の曲はどことなくセクシーというか、お姉さんなイメージ。「Memory 青春の光」とか、「抱いてHOLD ON ME!」とか。それがごっつぁん(後藤真希さん)が加入して、「LOVEマシーン」を聴いた時にはもう衝撃!私よりひとつ年下で金髪の派手なごっつぁんにも驚いたんですが、何より「LOVEマシーン」には夢中になりました。あんなに面白くて、ハッピーな気持ちにさせてくれて、みんなを元気にしてくれる曲、聴いたことがありませんでした。その時強く思ったんです。私もあの向こう側に行って、モーニング娘。と一緒に踊りたい!って。
ごっつぁんが加入して2カ月ほど経った頃、「ASAYAN」でモーニング娘。の4期メンバーの募集が告知されたんです。当時は中学生でした。後にも先にもオーディションというものに応募したのはあの時だけです。両親の反応ですか?「絶対受かるはずない!もっと可愛くて、もっと歌上手い子はいくらでもいるんだから!」って母に言われてました(笑)。
確かに私、歌もダンスもやったことがなかったんです。体を動かすことと言えば、中学校の部活でソフトテニスくらい。歌だって、仲良しの子とカラオケに行くくらいだったんです。性格は引っ込み思案で地味なタイプなので、両親は内心私がアイドルのオーディションに応募しただなんて、驚いていたんじゃないかな。だけど反対は全くされませんでしたね。私の好きなようにさせてくれました。
オーディションを勝ち進んでいっても、結局最後まで母は「絶対に受かるはずない!」の一点張りで、「やってみなきゃわかんないんだから、受からないなんて言わないで!」とよくケンカしました。
後になって聞いたんですが、本当に落ちてしまった時にショックを受けてほしくなかったからだそうです。私、かなり負けず嫌いだったりするので、「そんなに言うなら受かってやる!」って闘志が湧いたのは事実。母は私のこと、よくわかってたんだなと改めて思いました。「その子に合った子育てを」という気持ちを強くしたエピソードのひとつですね。
デビューしてからは、ダンスや歌のレッスン、ライブやテレビ収録などなど、朝まで仕事ということはないけれど、とにかく休みのない日々。大変ではありましたが、辛いとは思いませんでした。やっぱりここでも負けず嫌いの気質が出たのかな、とも思うし、与えられたことは完璧にこなしたかったんです。
辻ちゃんと加護ちゃんは同期なんですが、彼女達より私が年上なので、マネージャーさんからは「石川が面倒を見て」と言われていて。それで小姑みたいに2人にあーだこーだと言っていたら、「梨華ちゃんヤダァ」って言われてしまって(笑)。私は私で、「私が怒られちゃうから、ちゃんとして!」って言い返したり。だけど人に指摘や注意をするからには、自分がちゃんとできていないといけないと思っていたから、そこは徹底していました。生活態度も注意されないよう、歌もダンスも絶対間違えちゃダメって必死でした。今振り返ると、そんなに肩に力を入れなくたっていいよって、当時の自分に言ってあげたいです(笑)。
気づけはもうすぐ40代で、デビューして25周年も目前。改めてびっくりしますが、今、色んな経験を経て大人になって思うのは、もっと誰かに頼ったり、甘えたりして良いんだということ。
今まであまり人に甘えてこなかったなぁ、って思うんです。私の性格的に、あまりわがままも言えないし。子供達を見てると、わがまま言ったり甘えたり素直に感情を出すのは良いなぁって。でもそこで、ん?待てよ?私だってたまには甘えたりしても良いんじゃない?って気づきました。
例えば、今日はご飯作るのがしんどいと思った時は、外食やデリバリーに頼ったり、休日の朝、子どもたちが先に起きた時も「もう少しゴロゴロしよう」って言えるようになったり、夫にも家事をお願いできるようになりました。
私は今子育てを中心に少しずつ芸能のお仕事をさせていただいていますが、他のOGメンバーはバリバリ仕事をこなしている人もいます。みんな昔より今の方がパワーアップしてない?と感じることもあります。私が芸能活動を休んでいる時も、仲間の誰かが走り続けてくれているから、私はその姿を見てパワーをもらうし、私も頑張ろう!って思って見てました。
あの時代を一緒に過ごしたメンバーとの時間は宝物です。モーニング娘。の時は、楽屋で和気藹々なんてしている暇もないほど目まぐるしかったけれど、ドリーム モーニング娘。でツアーを回った頃は、年齢を重ねたメンバー達と美容の話や健康の話で盛り上がったものです。今はもっぱら主婦トーク(笑)。「ただいま!」と言える、私の原点です。
《衣装クレジット》
ワンピース¥25,300(ジャスグリッティー)パンプス¥16,500(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)ピアス¥47,300〈Pearl for Life〉ブレスレット¥12,650〈ripsalis〉(ともにロードス)
【ショップリスト】
ジャスグリッティー プレスルーム 03-3408-7230
ダイアナ 銀座本店 03-3573-4005
ロードス 03-6416-1995
撮影/小野大樹 ヘア・メーク/川村友子 スタイリスト/井関かおり 取材/キッカワ皆樹 編集/浜野彩希
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2024年12月16日(月)23:59まで
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