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【ジェーン・スーさん×藤原美智子さん】「幸せと健康の距離が縮まるのが40代」

40代の日本女性は世界一忙しい。でも今、自分の体を見つめ直さないと、その後の人生にツケが来る! 人生100年時代、自分を好きなまま生きていくために役立つ、藤原美智子さん、ジェーン・スーさんの体験に基づいた言葉が、ズシンと響きます。「美しく年を重ねる」秘訣と金言をお届けします。

ジェーン・スーさん(以下:スー〈敬称略〉) 以前はガチガチに筋トレに行っていたんですけど、歪みの先生のところに行った時、歪んだ上に筋肉つけてもしょうがないから、1回やめてくださいと言われました。

藤原美智子さん(以下:藤原〈敬称略〉) わかります。走るのもちゃんと筋肉を使えてないのに走ってしまうと、膝とか足首とか変にしちゃいますよね。まず、治し系で戻すのがいいと思います。ジェーンさんは今後、やりたいことはありますか?

スー もうちょっと歪みが取れたら軽めの筋トレには戻したいですね。筋肉がないと日常生活がおぼつかなくなっていくから。

「無理していると幸せ感が薄らいでいく。誰かのせいにしちゃう」(by 藤原美智子)

藤原 筋肉は大事ですよね。筋肉がないとちょっと動くのも億劫だと思ってしまう。そうすると心にも影響します。そしてその逆もあります。44歳の時、気持ちが楽になった瞬間に、バリバリの背中の体の厚みが薄くなってきたんです。贅肉は固い箇所についていく。そして、それまで乾燥肌だと思っていたのが、筋肉を柔らかくすることによって、リンパの流れが良くなり、極度の乾燥も無くなった。その時に自分の体とちゃんと向き合って、ほぐしてあげたことは、肉体的にも精神的にもすごくいいきっかけになったなあと思います。振り返ってみて40代の方に伝えたいのは、今一度、根本的に自分の体を見つめ直すこと。それまでは若いから一晩寝れば回復できたろうし、気力でなんとかできたと思うんです。40代以降になると、そういうわけにいかなくなってくるので、具体的にどういう方法が合っているのか自分で方法を探る、ということを言いたいですね。あとね、幸せ感がなくなってきちゃうのよね。それが美ST世代の一つの目安かな。ずっと無理していると幸せ感が薄らいでいく。誰かのせいにしちゃう。だから考えるべきかなと。

スー 幸せを軸に話すと、幸せと健康の距離が、だんだん縮まってくるのが40代以降だと思うんです。

藤原 本当にそう。健康のありがたさはこの年齢になるとつくづく思います。幸せであるために健康になりたい、ということは言えますね。

「病気の第一歩は、だるさが何日も続くということ」(by ジェーン・スー)

スー 病気であることが不幸ということではないと思うのですが、でも、今、健康を手にしているなら、それを失わないほうが幸せに近くいられるような気がします。私の場合、病気の第一歩と感じるのはだるさですね。だるさが何日続くかということ。寝る前に顔を洗えない、翌朝シャワーで髪が洗えない、となったら私としてはアウトのだるさ。普通の生活ができなくなったらシフトチェンジと思っています。サインですね。1日だるいとかはまだありだと思いますが、今週ずっとだるいというのは、もうキャパオーバーだと思うんですよね。

藤原 だるいってそうですね。40代って頑張ろうと思えばまだ頑張れるし、頑張らなきゃとも思うから、そのままにしちゃうけれど、どこか無理をしているからそうなるんですよね。自分でわかりやすいからサインになる。

スー 体を動かさないとどうにもならん、ということは確かにあります。でも、忙しいと疲れてしまって体を動かす気にもならないし、自炊する気にもならないし。忙しいとどうしても健康との「トレードオフ」みたいになってしまう。40代からはなんとかやりくりして減らしていかないと。

「好奇心は幸せに生きるために大切。ユーモアで自分を笑い飛ばせる気力も大切」(by 藤原美智子)

藤原 歳を経るごとに、今まで持っていたものを手放すのもいいんじゃないかなあ。しがみついているとダメじゃないかな。40代までとそれ以降では興味を持つこともどんどん変わってくるし。50代以降は自分の内面に興味を持つようになってきたり。自分でも不思議だけど、今、中学生の数学を解いているんです、面白いなあと思って。好奇心は、人生の最後の最後まで幸せに生きていくために大切で、それには健康でないと維持できないですよね。体に不調があると、めんどうくさいなと思ってしまうから。ユーモアも大事。どんな時も自分を助けてくれて、客観的に自分が見えるから。自分をユーモアで笑い飛ばせる気力や体力は健康であってこそ。

「誰にでも失敗や停滞はある。そこから粘り強く自分を救い出す」(by ジェーン・スー)

スー 「自分が好きな自分」と「健康な自分」の距離をできるだけ近づけておきたいです。誰でも失敗したり、停滞する時はあるんだけれども、必ずそこから自分を救い出してあげるというか、諦めずに粘り強く1日でも長く健やかに過ごせるように、自分の道に戻してあげる。年下の人には偉そうなことは言えないし、上の世代の人はさまざまな経験があるので、おこがましくて言えないんですけど、同世代には「お互い転ばないようにスクラムを組んで一緒に生きましょう」という気持ちでいっぱいです。

《Profile》
●藤原美智子さん(65歳)
MICHIKO.LIFEプロデューサー。2022年4月をもってトップで活動し続けた42年間のヘアメークアーティスト活動を終了。現在は雑誌や広告での執筆、講演、TV等で活躍し、幅広い年齢層から支持を集める。信州大学の特任教授も務めている。https://michikofujiwara.jp

●ジェーン・スーさん(49歳)
コラムニスト、ラジオパーソナリティ。心の琴線に触れ、新鮮で鋭い切り口のエッセイと発言が圧倒的な人気。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」ポッドキャスト「OVER THE SUN」も大好評。『きれいになりたい気がしてきた』(光文社・刊)『おつかれ、今日の私。』(マガジンハウス・刊)など著書多数。

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撮影/峠 雄三〈藤原美智子さん〉、和佐田美奈子〈ジェーン・スーさん〉 取材/大佛摩紀 編集・文/石原晶子

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