PEOPLE
「白って200色あんねん」というキラーフレーズがバズって以来、さまざまな発言が注目の的のアン ミカさん。彼女のポジティブ思考は、悩みだらけで八方塞がりの美ST世代を根本から救ってくれる、目からウロコの“逆転思考”。「人生に起こる物事を信頼する」「若い時の苦労は全てギフト」と話してくれた本誌の「人生の金言」企画も大きな反響を呼んだ、アン ミカさんが語る“40 代からでも遅くない、幸せ体質に変われる方法”とは?
お話をうかがったのは…アン ミカさん(54歳)
《Profile》
1972年生まれ。大阪育ち。テレビで多数MCを務めるほか、CM、ドラマ、映画に出演するなど俳優としても活躍中。「ポジティブ手帳2026 365日、アン ミカ思考で幸運体質!」(¥1,980 小学館)が大好評発売中。
愛する夫との子どもが欲しくて、長らく不妊治療にトライしていたのですが、不妊治療って終点がわからない。“引き際”を見失ってしまうんです。私は40代で小さな腫瘍が見つかり放射線治療した結果、放射線の影響を考えても卵子を取ることが難しく、不妊治療が続けられなくなりました。その上、生理も終わるのが早くて・・・。46歳くらいだったかな。50 歳を過ぎた先輩がまだ生理があると話しているのに、自分はもうない。それまでの生理は順調に来ていたのに、あれれ?って感じで、閉経のことは当時は人にも言えませんでした。それまでは生理が重かったので、なくなったことは意外と楽な側面もあるな…とは思いましたけど。子どもを授かれなかったことを当時は受け入れるのが大変でした。これも「人生に起こる物事を信頼する」という視点で考えた結果、諦めがつき私の中で引き際となりました。
腫瘍などの疾患や20代後半からの甲状腺異常、更年期の経験から、もちろん最初は「なんで私ばかり」と恨めしく思ってしまった時期も。当時は周りも皆若くて一緒に遊んでいても体力が有り余っている。でも私は疲れやすくて体力も持たなくて。でも若いうちにろくろのようにあちこちぶつかって悩んだおかげで、今の「器」が作られた。今考えるとそれすらも財産になったと今は思えるんです。若いうちから更年期を経験しているからこそ、50歳前後の更年期に悩んでいる人に伝えられることがあります。更年期は「若さの終わり」ではなく、これからの人生のために自分を知るきっかけとなる上に、体と心の器をしっかり整えている大切な経験だということ。ホルモンという自分でコントロールできない存在の影響を受ける体をじっくり思いやり、今後の人生に備えて調整していく大事な時期。そして人の苦しみや痛みを知ることも出来て、その大変な経験を友と共有できる大切な経験なのです。
私の場合、母が35歳から寝たきりになり42歳で亡くなっているので、身近に40代以降の女性の生き方のお手本がありませんでした。人生の後半を一人の女性としてどう生きていいかを自分なりに学ぶしかなかった。そこで自分に起こる体調の変化と向き合い、「自分を知る」ことに努めました。漢方養生指導士、NARDアロマアドバイザー、野菜ソムリエなどの資格を取得し、四季ごとの旬のものを食事に取り入れ、特に疲れやすい季節は臓器に注意し、知識を生かして生活に取り入れる工夫をしました。そして50代半ばの今も元気な心身をキープできるようになっていったのです。高齢化社会の日本で生きるには、人生が長い。でも今は、みんなと悩みの情報を共有できるツールがたくさんある時代でもあります。多くの方々と手を繋ぐことができる今の時代の環境は最高だと考えています。
日々の中でなんとなくモヤモヤ、ウツウツとすることは誰でもありますよね。元気を出したいのに、モチベーションが上がらない。それはポジティブな私にももちろんあります。そんなとき、有効な手立てがあります。それはよく心に浮かぶ、よく使う言葉をノートに書き出して自分の心グセを可視化してみること。特に、怒っている時・悲しんでいる時に使う言葉は人間関係でトラブルを起こしやすい上に、自分の今を形成している隠れたトラウマが潜んでいます。私の場合は「軽んじられた」という言葉が怒りの“ひきがね”になることが多いようです。その原因は小さいころに遡ります。誰でも自分の心の中に小さな子供(インナーチャイルド)を抱えると言われます。そのインナーチャイルドの性格を知ることで、今の自分が悲しみを防御するための間違えた怒りの表現をして、人生に暗い側面を落とす経験から逃れることが出来ると言われます。私の場合は…薬局の上に間借りして家族で住んでいた4歳くらいのころ、両親がリアカーに家財道具一式と兄弟、姉妹を乗せて、近所に引っ越すことになりました。私がその時たまたまぐずっていたので、両親は私を薬局の老夫婦に”すぐに迎えに来るから”と預けていったのですが…。バタバタしていたのでしょう、二日程迎えに来なかったんです(笑)。そのときに「自分は捨てられた」と思ってしまった。それから、自分が軽んじられた、忘れられたのかも、という瞬間に、悲しみや怒りといった感情がパターンとして過剰に出てくるようになってしまったようです。
「怒りは悲しみを隠すための防護服」と言いますが、私の場合もそう。人が私についてつい忘れた事に、過剰に反応して攻めてしまう心グセがあります。こういうパターンは、人によって違います。何が自分を刺激し、何が怒りや悲しみの引き金になるのか、それを知ることで自分をコントロールすることが出来ると思います。自分が何が好きで苦手か、心地良い・心地悪いかを五感(見る、聞く、好きな匂い、感触、味覚)ごとに知らなければストレスの解消法も自分を励ます言葉も見つかりません。自分の心が疲れ、自分自身が置き去りになったまま、我慢を積み重ねて日常に流されると、急にドカンと心が壊れてしまう瞬間が訪れます。それを解放するためには、悩んだり辛いことがあった時は書き込む習慣を身に着けることをオススメします。(私の著書に”七つの光の木”という項目があります。是非参考にしてみて下さい)自分の心を棚卸しというか、洗い直す作業、自分を客観的に見ることがいざという時の上手な心の立て替え方に繋がるのでオススメです。
昨年は長年掲げてきた目標が叶った有り難い年でした。それは三谷幸喜さんのドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるんだろう」に俳優としてレギュラー出演できたこと! 私、神社に行くたびに「三谷さんの作品に出たい」と祈願していたんです。定期的にお芝居はやらせていただいていたんですが、レギュラーで、しかも憧れの三谷さん作のドラマに出られるなんて、本当に素晴らしい経験でした。それがいちばんハッピーだったことかな。
でもアンハッピーでちょっと落ち込んだこともあります(笑)。昨年末にクローゼットの整理をしようと頑張っていたのですが、やはりお洋服や靴が好きなので、ひとつひとつに思い入れがあってなかなか、さようならできなくて(泣)。今は休みができたらプロの方に来ていただいて「これは要る」「これは要らない」の見極めをしている最中なのですが、物の多さと捨てられない自分に落ち込んでいます。旦那様がホテルみたいに何もない部屋が好きなので、もうその作業がプレッシャーで(笑)。でも、これは終活の一端でもあるので、家族や友人に譲ったり、リサイクルに出したりして必死に整理しているところです。
50代になって、何かあった時に家族に迷惑をかけないためにも、いろいろわかりやすくしておこうと決心しました。だからポジティブな行為ではあるんですが・・・。どれだけ物への執着があるんだって凹みます(笑)。
最近思うことなんですが・・・若い時にはピンとこなかったけれど、今だから分かる、ということがあります。それは「自分を大事にして初めて、人のことも大事にできる」ということ。自分の心が空っぽだと空っぽの言葉しか出てこない。器が空っぽなのに、そこから実のあるものが出てくるはずがない。そんな言葉は責任も伴いません。だから自分を大事にしたい。それは甘やかすということではなく、嫌なところも見たくないところも含めて真の自分と向き合うということです。
クローゼットの整理整頓の話ともつながるのですが、心の中も余計なもの、真の自分を誤魔化しで覆っているものを削ぎ落とす勇気が必要な時もあると感じました。幸せを必死に掴もうとするよりも、まずは日々の生活の中にある小さな幸せに気づいていくことが幸せへの一歩なのかと思います。今ある、日々の当たり前に訪れる日常は、実は奇跡の連続なのだと改めてコロナ禍を経験して感じたのは記憶に新しいですよね・・・。朝起きて家を出て、無事に帰宅し就寝する。この連続は奇跡です。好きなものを食べられて、携帯から好きな情報が得られ、何事も比較的自由に選ぶ権利がある。身の回りを謙虚に見渡せば、私たちはとても幸せです。そんな幸せを見つけ、感謝する心が「有難い」の心を育み、大きな幸せに繋がっていくのだと思います。
どんな人でも失敗のない人生なんてありません。もしあるとしたら「失敗を生かす人生」か「失敗を嘆くだけの人生」のふたつ。どれを選ぶかも全部自分次第。だから自分自身を大事にして向き合って、心の中を豊かにすることを心がけていきましょう。
撮影/佐藤航嗣(UM) ヘア・メーク/K.Fukumoto(&’s management) スタイリスト/加藤万紀子 取材/柏崎恵理
《衣装クレジット》
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2026年11月16日(月)23:59まで
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